五年間の集大成 ― 朱椿粋が辿り着いた「究極の金具」
私たちが追い求めてきたもの
それは、木や漆などの美しさを引き立てるだけでなく、一本の筆記具として、使う喜びを感じていただける金具です。
どれほど美しい木を削り、漆を重ねても、書く道具としての心地よさが伴わなければ、私たちが目指すペンには辿り着けません。
手に取った瞬間の美しさ
指先に伝わるノックの感触
ペン先のわずかな揺れ
紙の上を走る心地よさ
思い描いた形にならず、幾度も設計を見直し、試作を繰り返した五年間
それでも諦めなかったのは、朱椿粋のペンを愛し、使い続け選んでくださる皆様がいたからです。
皆様からいただいたお声が、私たちのものづくりを少しずつ前へと進めてくれました。
金属加工の職人が持てる技術を尽くして完成させた金具に、木、漆、革、樹脂などそれぞれの職人が技と想いを重ねていく。それらが一つになって、ようやく朱椿粋のペンが生まれます。

私たちが目指す「機能美」と「用の美」
飾って眺める美しさだけではなく、日々の暮らしの中で使い続けることで感じられる
手に取るたびに喜びを感じ、書くことが楽しみになる。
そんな一本を、これからも皆様にお届けしたい。
五年間の感謝を込めて、今の私たちにできる最高の金具が完成しました。
ぜひ東京個展で、実際に手に取り、ノックし、一本の線を書いてみてください。
職人たちが追い求め続けてきたものを、その指先で感じていただけたら、これほど嬉しいことはありません。
最高の職人たちが集い、 文化を敬い、想いを一つにして生み出す美しい作品は、お客様も、職人も、素材も、 関わるすべてを幸せにすると信じています。
ペン金具の特徴
木や革などの自然素材が持つ豊かな表情との調和を目指し、金属という素材そのものが持つ美しさと魅力を追求しました。加工が難しいステンレス素材ですが、職人の卓越した技術によって0.01mm単位の精度を実現し、目に見えるすべての金具に採用しました。
シャーペンの一部の部品を除いてほぼすべてを、大阪の金具職人集団がロケット部品を製作するほどの制度で制作することができた国産金具です。
お預かりしての交換とはなりますが、書き心地を全く損なわないボールペンとシャーペン内部機構の交換も可能となりました。
ボールペン・シャーペン共通パーツ

・内部の真鍮筒
ペンの骨格となる重要な部品のため、限りなく真っすぐで変化しないな軸を追い求めました。真鍮筒を応力除去焼なましによって内部の残留応力を抑え寸法安定性を高めて精密な切削加工を施しています。
・口金
ペン先の安定感を左右する重要な部品です。従来のメッキ金具では難しかった0.01mm単位の精密な口穴加工をステンレス素材にすることで実現し、わずかな隙間や揺れを抑え書き心地を追求しました。表面は、見る角度によって七色に輝く美しい旋盤目を施しています。
・オリジナルクリップ
朱椿粋のブランドイメージを表現したロゴマークのデザイン入りで、筆記時に指に当たりにくい短さと、木軸を傷つけにくい構造をステンレス素材で追求しました。素材はステンレスだけでなく、ペンの表情を変化できるように青銅や真鍮にも挑戦しています。
・口金リング
見る角度によって七色に輝く旋盤目のステンレスに加え、青銅や真鍮も挑戦しました。それぞれの金属が持つ色合いや質感で、ペンの表情を変化させる意匠を目指しました。
ボールペン

・ノックパーツ
すべての部品にステンレスを採用し、新しい稼働構造に挑戦しました。旋盤加工によって生まれる美しい金属の輝き、静かなノック音、最小限の揺れ、軽量化、緩み防止の一級ネジまでこだわりにこだわりぬきました。思わず見入ってしまう天冠の輝きと、何気なく繰り返すノックの一瞬に、世界に誇る職人の技術とこだわりを込めています。
・内部アルミパーツ
異なる種類のリフィルに対応するため、接合と長さ調整ができる独自の構造を考案しました。普段は見えない内部にも、使いやすさと機能性を追求しています。
・バネ
ノックの感触や書き心地を左右する、小さくも重要な部品です。線径、巻き数、巻き方向、巻き方の一つひとつにこだわり、何度も試作を重ねました。指先に伝わる心地よさを求めたオリジナルのバネです。
シャーペン

・内部機構
書く時の内部機構の音をほぼゼロにすることを目指して試行錯誤を重ねて来ました。自分たちで開発できない一部パーツは、海外の企業に協力していただき理想の清音内部機構が完成しました。鉛筆のような感覚で書けるように、内部真鍮パーツともネジで固定する技術も取り入れています。
・ノックカバー
究極の薄さでステンレスを削る出した、職人しかこんな方法で作ろうとは思わないつくりです。そこから生み出された思わず見入ってしまう天冠の虹色の輝きもお楽しみいただけます。
・天冠
清音と軽さを求めた内部構造と、旋盤目の輝きを持ち合わせたステンレスの削り出し部品です。緩み防止の一級ネジを採用しています。
・消しゴム
クリーナーピン付き
今後の目標「ステンレスが生み出す、光の色彩」

ステンレス素材を選んだもう一つの理由は、光の干渉によって生まれる美しい「構造色」です。
塗料や染料を一切使わず、ステンレスの表面に形成される薄い皮膜と光の力だけで鮮やかな色彩を生み出します。見る角度や光の当たり方によって変化する色合いは、金属ならではの奥深い美しさを感じさせます。
さらに、リングやクリップ、口金、ノックなど金具それぞれの色を組み合わせることで、自分だけの色彩をまとった一本を生み出すことができます。

