古の炎が生んだ玉鋼を、ペンに
どこか懐かしく、心の奥に残るような日本文化の色合いを求めて、2025年、私たちは縄文弁柄と吹屋弁柄に挑戦してまいりました。
そして2026年、和鉄を扱う方との出会いから、日本古来の製鉄法「たたら製鉄」によって生み出される玉鋼に挑戦しました。

その始まりは一月下旬
職人さんとともに島根県奥出雲を訪ね、鉄の文化を学び、砂鉄からたたら吹きによって生まれる鉧(けら)と出会いました。
鉄の歴史博物館やたたら場、出雲たたら風土記を巡る中で、日本が長い歳月をかけて受け継いできた鉄の歴史と、その奥深さに触れてまいりました。

奥出雲で手にした鉧を、今度は筆記具の一部へと生まれ変わらせたい。
そんな思いから、大阪の精錬鍛錬を専門とする職人さんにお願いして、鉧を機械加工が可能な四角い和鉄へと整えていただきました。
炉の温度は1300度。
職人さんにとっても初めて扱うほど、それはたいへん珍しく貴重な素材でした。

やがて和鉄は円柱へ、そしてペンリングへと姿を変えていきました。
素材もつ表情をできる限りそのまま残したいという思いで加工を進めましたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
ドリルが折れ、玉鋼が割れ、失敗を重ねながらも、その痕跡さえ素材の歩みとして受け止め、職人たちの情熱と技によって少しずつ形になっていきました。
そしてついに、砂鉄から生まれた鉧を用いて制作したペンリング「日輪(にちりん)」が完成いたしました。
そこには、ステンレスのような凛とした輝きの中に、和鉄ならではの力強さと静かな気迫が宿っています。
加工の途中で生まれた割れもまたひとつの景色として活かし、17個のリングが完成しました。
砂鉄から鉄へ
そして、筆記具の一部へ
遠い昔から受け継がれてきた日本の鉄の歴史が、職人たちの手を通して、いま新たな物語として一本のペンに息づいています。
この物語が、皆さんにとっても特別な響きを宿すものとなれば幸いです。
日本の美で心を惹きつけ
書き心地で忘れられなくなる
筆記具との出会いに、晴れの美を

